中国針灸「精誠堂(せいせいどう)」【千歳烏山 本院】東京都世田谷区南烏山5-9-2 【飯田橋針灸マッサージ治療院】東京都千代田区富士見2-2-3 ドーム飯田橋1F
"もぐさ"は、艾葉(がいよう)の名で漢方薬としても使われる"ヨモギ"の葉の裏側の絨毛を精製して作られます。
夾雑物が少なく純度の高い艾は作るのに手間と時間が掛かるため、夾雑物が少ないほど"良質もぐさ"、"高級もぐさ"として比較的高価となります。良質もぐさほど色が良く香りも良くて、手触りが柔らかです。燃やした時の熱感も緩和で心地いいとされ、直接灸や糸状灸(※後述)などに多く用いられます。
これに対し、夾雑物の多いもぐさは"粗悪もぐさ"、"低級もぐさ"と呼ばれ、夾雑物が多いほど色は黒っぽく香りも手触りも悪くなってきますが、"低級もぐさ"ほど価格は比較的安価となり、直接皮膚に触れない方法で比較的量を多く用いる灸法に多く用いられます(※灸法の種類、次項参考)。
先ず"捻り灸"とは、灸師がバラの艾(もぐさ)を手で捻って小さな粒状(米粒大や半米粒大)や三角錐を形作ったり、場合によっては糸の様に細長く捻ったものを直接皮膚の上にのせ、線香などで火を点ける方法です。
少し大きめに作った三角錐などを乗せる場合もあります。
これに対し、市販のお灸のように"台座"と呼ばれるものの上に艾(もぐさ)が乗せられており、艾(もぐさ)と皮膚の間には若干の空間が空いていて、台座に空いた穴から灸の熱が伝わる形のものを"台座灸"などと呼びます。
台座灸に似ていますが、皮膚の上にびわの葉や生姜のスライスを置き、その上で艾(もぐさ)を燃やす方法もあります。物を隔てて灸の熱を伝えるので"隔物灸"などと呼ばれます。
隔物灸の時にはバラ艾(もぐさ)で少し大きめな三角錐を作ったり、単純に丸めたものを乗せます。灸との間に置かれたびわの葉や生姜などの成分も熱と共に浸透し施術効果の一つとなると考えられています。
"棒灸"は艾(もぐさ)を棒状に固めたもので、その一端に火を点け、それを皮膚に近付けて輻射熱で皮膚面を温めるものです。
同様に輻射熱を用いた方法としては、刺した針の先端に艾(もぐさ)を乗せて燃やす「灸頭針」という方法もあります。
"箱灸"になると、輻射熱が箱の内部にとどまるので、また違った温め方ができます。(写真は筒灸)
前項で述べた様に灸法にも様々な方法がありますが、捻り灸のように小さく捻った艾(もぐさ)を直接皮膚の上で燃やして熱を透すものを"透熱灸"と言います。一瞬、"チクッ"としたり"ツンッ"とした熱さが伝わります。
同様に艾(もぐさ)を直接皮膚の上にのせる場合でも、少し大きめに形作ったものをのせ、心地よく熱を感じた時点で皮膚面から取り除く方法を"知熱灸"と言います(※写真4)。ひと昔前はこうした少し大きめの艾(もぐさ)の塊も透熱灸として行い、皮膚に火傷の跡が残るようなやり方も行われていましたが、最近では少なくなってきています。
隔物灸や輻射熱による刺激も熱としてはかなり熱くなることもあります。心地よく温かいくらいで止めるか、少し熱いくらいの刺激を与えるかは、症状や目的、患者の状況に応じて変わってきます。隔物灸や輻射熱による刺激は捻り灸に比べて"点"よりも比較的広い"面"で温める点が異なってきます。
灸の目的は何といっても熱刺激でもって体を"温める"ことだと言う事ができます。ただ、灸の効用は、単に冷えた部分を外からの熱で温めるというだけでありません。
"ツボ"(経穴)を温めることで、ツボの作用と相まって経絡の流れを良くし、体の陽気を高めたり、体自身の温める力を高めたりする効果もあります。
また湿邪の停滞など、体の中に滞った余分な水分を熱でもって散らしたり除去したりしようという用い方もあります。
"熱"は"陽気"に属し、陽気は活動的ですので、この陽気の力を借りて強い気の停滞を通すという目的でも用いられます。
このように、"冷えた場所を温める"、"陽気を高める"、"湿邪(水毒)を除去する"、"強い気の滞りを通す"、などといった目的に応じて上述の灸法や刺激の方法を使い分けて施灸してゆきます。
また灸は熱症状、例えば腫れや炎症に対しても用いられることがあります。"熱"に"熱"というのは逆のように思われますが、熱に対しても熱でもって施術することがあります。これは、鍼灸医学(東洋思想)にある"陰陽転化"という考え方に基づいています。昼が極まれば夜になり、夜が極まればまた日が出てくるように、陰も陽も極まれば転化するという考え方に基づいた施術方法だということができます。
精誠堂 飯田橋 針灸マッサージ治療院 院長 藤本 博和
賀偉総院長が施術を行う本格中国針灸の専門治療院
賀偉総院長が施術を行う本格中国針灸の専門治療院
針灸、マッサージ、中国整体を併設