中国針灸「精誠堂(せいせいどう)」【千歳烏山 本院】東京都世田谷区南烏山5-9-2 【飯田橋針灸マッサージ治療院】東京都千代田区富士見2-2-3 ドーム飯田橋1F
春と花粉症
童謡「春よ来い 早く来い」の中で、"春よ来い 早く来い おうちのまえの 桃の木の つぼみもみんな ふくらんで はよ咲きたいと 待っている"と歌っているように、1月末ごろから既に自然のあちらこちらで春の兆しが見え始めています。
春が待ち遠しいと思う反面、花粉症などで悩む方にとっては、なかなか過ごしにくい季節でもあります。発症の主なメカリズムと、普段の生活の注意点を中医学の角度から簡単に話をしてみます。
中医学では、病因を概ね"内邪(体内を循環する要素の過不足や停滞によるもの)、外邪(外界の気候変化、ウィルス、細菌などの侵襲)、不内外因(情緒、生活習慣などによるもの)"の三つに分け、外邪はさらに"風、暑、燥、湿、寒、火"の六種に分けられます。この外感六淫のなか、"風邪(ふうじゃ)は万病のもと"と言われています。
春はよく風が吹くので、風邪が最も盛んです。この季節の鼻や目、皮膚の痒みは風邪によるものが殆どです。外感風邪の影響を最も先に受け易いのは「肺」の臓です。
「肺」は中医学においても呼吸器症状と密接な関係があると同時に、「衛気(主に体表を流れ外感風邪から体を防衛する気)」の働きとも密接な関係があります。この「衛気」が充分に機能しないと、容易に風邪の侵入を許し、肺に関わる諸症状を発します。
更に"諸病水液澄澈清冷,皆屬於寒。"(「黄帝内経・素問・至心要大論」)と言われる様に、水っぽく冷たい鼻水は寒邪に該当し、とくに冬と春の変わり目は、三寒四温を繰り返すため、風邪と寒邪が一緒に侵入しやすくなります。
それを防ぐには、少し暖かくなってきたからといって、すぐに薄着をし過ぎないのが大事です。とくに風邪は背中の大椎というツボから入りやすいので、おしゃれを楽しみたい方は、ストールを一枚羽織るなどして調整しましょう。また、冷たい飲食物をとり過ぎると体の内側からも冷えるため、控えましょう。
上記のほか、ストレスやイライラも気血の巡りを滞らせて花粉症の発症に加担します。目の痒みは肝と密接な関係があります。春の陽気の溢れにつれ、人体の肝の生理機能も高ぶります。肝は、植物から芽が出て成長していく様に、全身の気の流れをスムーズに行き来させますが、一方でイライラなどの感情とも密接に関係します。肝の働きが強すぎると、肺まで影響が及び、咳や痰、鼻水などの症状を引き起こします。五行では、肝は木、肺は金(斧のイメージ)で、通常は金の方が木を剋(こく)しますが、木が強すぎると、逆に金の方がやられてしまうという仕組みです。
肝の失調は、内風(内臓的な病気)を除き、主につぎのような症状が出ます。
肝の機能が亢進すると、めまい、頭痛、目の充血や顔面紅潮があり、カッとなりやすくなります。
肝気がうっ滞すると、胸肋部の脹満感や痛み、眼精疲労、鬱やイライラがあり、ため息をつきやすくなり、寝つきが悪くなります。
肝血が不足すると、目のかすみと乾き、立ちくらみ、こむら返りがあり、顔色が青白く、爪が脆くなり、女性は月経量が少なく、著しいときは閉経となります。
とくにストレスや怒りの感情は肝を傷めやすいので、そういう情緒を蓄積せず、適宜感情をコントロールすることは、花粉症だけでなく、春に多いメンタル不調にも効果があります。
イチゴや酢のものなど、酸味の食材、花粉症の方はさらにふきのとうなどの苦みの野菜を意識して摂るのはこの時期の養生にいいと言われています。
また、深呼吸をしながら、肩甲骨を動かす腕のストレッチや、肝の経絡を伸ばす開脚のストレッチなどもある程度の効果があります。
これらの症状には、体質改善が抜本的な対策なので、針灸は効果的です。
賀偉総院長が施術を行う本格中国針灸の専門治療院
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針灸、マッサージ、中国整体を併設