中国針灸「精誠堂(せいせいどう)」【千歳烏山 本院】東京都世田谷区南烏山5-9-2 【飯田橋針灸マッサージ治療院】東京都千代田区富士見2-2-3 ドーム飯田橋1F
夏目漱石が初めて"凝り"という言葉を作ってその概念が出来たともいわれる"肩凝り"、"頚(首)凝り"ですが、解剖学的な定義としては、項頚部から主に肩上部、更には背部にかけて(僧帽筋エリア)の諸筋肉に、こわばった感じ、重い感じ、だるい感じ、詰まった感じ、引き攣ったように痛い感じなどの主観的な不快感を訴えるものを指すと言えます。中には、自覚は無いが、他人から"硬い"、"凝っている"と言われた、とか、頭痛や吐き気、めまい、手のしびれなどの諸症状に悩み、その原因として頚肩凝りを指摘され、はじめて自身の"頚肩凝り"を認識する場合もあります。
原因や病態に関しては、同一姿勢を長く(多く)取ることによる筋の持続的緊張や運動不足によって筋肉が硬くなったり、或いは冷えたりすることで、局所の循環障害(血流が悪くなる)が生じ、筋肉に酸素や栄養素の不達、疲労物質の蓄積が生じた状態と捉えられています。最近では筋肉そのものよりも筋肉を包んでいる膜(筋膜)が注目されてもいます。
また、現代ではPCや各種モバイルの使用による眼の使い過ぎも頚肩凝りの一因となります。
では針灸医学ではどうでしょうか?
非常におおざっぱな言い方をすると、「頚・肩を通る"経脈"の流れが悪くなった状態」と捉えます。
原因の代表格としては"不良姿勢"などの生活習慣がありますが(※『腰痛』の項目参照)、不良姿勢が現代社会ならではのPC仕事などによるものであれば、それによる眼の使い過ぎなどもまた原因の一つとなり得ます。
針灸医学では"眼"は"精血"の消耗が最も激しい器官の一つとされています。眼の使い過ぎによって過剰に精血が消耗されると、その分、経脈中を流れる血が不足して流れが悪くなります。そのため血が頚や肩を十分に栄養できなくなり凝りとなってしまいます。これが頭部に波及すると頭痛を伴いますし、精血の過剰な消耗は体全体の疲労感やだるさ、疲れが回復し辛いなどの症状と関連することも考えられます。
一方、ストレスや緊張によって気の流れが滞ると、気とともに血も停滞しやすくなり、気血の滞ったところには痛みや凝りなどの不調を感じます。このタイプの場合、イライラしやすかったり、いつも肩に力が入っていたり、或いはぐっすりと眠れていないことも多いかも知れません。
これら以外にも肩凝り・首凝りの原因は様々なことが考えられますが、針灸医学では頚・肩の症状を診る場合にも、それに伴う様々な症状を考えながら、頚・肩を通る"どの経脈の流れが悪くなっているのか?"、"その経脈の流れを良くする最も適したツボはどれか?"、を考えてゆきます。その為、頚や肩が辛いのに、施術としては頚・肩以外の場所に針を打つことも少なくなく、常に内外上下全体のバランスのなかで治療を行ってゆきます。
賀偉総院長が施術を行う本格中国針灸の専門治療院
賀偉総院長が施術を行う本格中国針灸の専門治療院
針灸、マッサージ、中国整体を併設