中国針灸「精誠堂(せいせいどう)」【千歳烏山 本院】東京都世田谷区南烏山5-9-2 【飯田橋針灸マッサージ治療院】東京都千代田区富士見2-2-3 ドーム飯田橋1F
口から入った物が食道を通って、①先ず胃に受け入れられ、②胃に一定時間とどまって腸で消化吸収しやすい様にされた後、③胃から腸へと流れ込んでゆき、④最後は尿と便とに分けられて身体の外へと排出されて行く、これが正常な身体の機能です。
これについては中医学でも現代医学でも認識にそれほど大きな違いはないでしょう。
この一連の流れの内の、①から③の胃の働きを中医学の用語では①受納、②腐熟、③和降、と言います。①受け入れて、②消化吸収しやすくして、③腸へと流す(送り出す)、という単純な働きです。
この機能が乱れて胃液そのものや胃の内容物が胃液と共に逆流した状態が所謂「逆流性食道炎」という状態です。胃の気の上逆、という状態です。
口から肛門までの人間の消化器系は、よく"ちくわの穴"に喩えられます。
口の中から肛門までの部分は、身体表面の皮膚の延長として繋がっており、胃や腸の表面は身体の"内"ではなく実は身体の"外(表)"であり、口と肛門の孔を開けば、そこは身体の"中"ではなく外気に通じる"外"になります。
単純化すれば本来"ちくわの穴"のごとき"筒"状のところを、口から肛門まで、上から下へとスムーズに食物が流れゆくだけのことであり、その通り流れてゆけば何の問題もありませんが、なかなか人は様々な影響を受けるものです。
「胃」は「五臓六腑」の内の「腑」であり、中医学では「臓」と「腑」とは常にペアを組んでその機能を果たしていると考えますが、「胃」と表裏関係にある「臓」は「脾」です。
現代医学の「脾臓」とは随分概念が異なり、むしろ現代医学の「膵臓」に近いと近くないとか......。
その辺りのお話しはひとまず置いておくとして、この「脾胃」は"思慮する"、"思い悩む"といった"こころ"の働き(状態)と密接な関係があるとされます。
「思えば気が結ぼれる」と言われ、"過度に思慮"したり"思い悩んだり"すると"気"は"結ぼれ"てスムーズに流れなくなります。
考え事をし過ぎたり、思い悩んだりしているとキューっと胃が痛くなったり不調が生じるのは、そこに"気が結ぼれて"しまったからですね。
慣れない人前に出る時や何か大切な本番を迎える前に、心配と緊張とで胃が痛くなるのもこれと似ているかもしれません。
また「イライラ・カッカ」するようなストレスがあった時には「肝」の臓がその影響を受けますが、「肝」は「胃」の直ぐ傍(横)に在るので、抑鬱した肝の気が鬱熱(肝火)と化して胃に影響を与えます。中医学では「肝火犯胃」や「肝気横逆」と言われるような状態です。
その他にも「胃」の正常な働きに影響を与える要因は多くあります。
単純に"食事の不摂生"ということもありますし、不規則な生活リズムや睡眠不足(夜更かし)も影響し得ます。
このような場合には、先ずは患者さん自身の生活改善なども必要です。
いずれの場合にしても、本来スムーズに流れているべきものが流れない、或いは、本来の流れの方向を違える(逆流する)、ということが問題ですが、針は、この「流れを通す」ということに関して一定の効果があるようです。
賀偉総院長が施術を行う本格中国針灸の専門治療院
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針灸、マッサージ、中国整体を併設