中国針灸「精誠堂(せいせいどう)」【千歳烏山 本院】東京都世田谷区南烏山5-9-2 【飯田橋針灸マッサージ治療院】東京都千代田区富士見2-2-3 ドーム飯田橋1F
針や灸を使って施術をすれば東洋医学か?というと、"物理的な刺激"として"針"もしくは"灸"を使ったというだけでは東洋(伝統)医学とは言い難いでしょう。
身体の診かた、病気の捉え方や考え方、施術の方法、それらが一貫して東洋(伝統)的な考え・理論に基づいていた場合に東洋(伝統)医学ということが出来るでしょう。
針や灸は主に人体にある"ツボ"(経穴)に対して刺針もしくは施灸します。その"ツボ"は"経絡"という大きな流れ道の上に存在します。ツボとツボを結んだものが"経絡"となったのか? 経絡の上に"ツボ"が配列されたのか? その辺りの話はひとまず置いておきますが、人体には頭の先から手足の先までを縦に連絡する"経脈"(けいみゃく)という流れが存在します。その経脈と経脈を横に連絡しているものを"絡脈"(らくみゃく)といいます。これらを合わせて"経絡"(けいらく)と呼ばれます(※経絡については詳細後述)。経絡は気血が流れるルートで、体内では臓腑とも連絡しながら全身を循環しています。
この経絡の流れ、経絡中の気血の多少に乱れが生じると、体の不調が生じます。"ツボ"(経穴)はこの体表の経絡上にあって、身体の不調が表面の現れる反応点でありまた治療点でもあります。
不調の原因がどこにあるのかは、問診をはじめ、脈や舌の状態をみたり、経絡上を触診したりと様々な方法を総合して判断します。その結果、治療に必要なツボを選んで針や灸を施し、経絡の流れ、気血の多少を調整し、五臓六腑のバランスを整え、その結果身体の不調を取り除こうとするのが東洋(伝統)医学的な針灸治療であると言うことができるでしょう。
一方、伝統的な"経絡"や"ツボ"(経穴)に捉われず、或いは、ツボはツボとして歴史に裏打ちされた有効な施術ポイントとして捉えながらも、その"ツボ"の解釈を現代解剖学・生理学に基づいて行い、施術ポイントを選択する針灸治療もあります。つまり「そのツボの場所は何々筋と何々筋の部分で、何々神経、或いは何々という血管が通っているから」といった解釈です。
もちろん、病態把握、病因の追及も現代医学的な解釈に基づいて行われることになります。
「○○経の経絡の気が滞っている。その為にどこそこの部分に痛み(もしくは痺れ)が出ている」といったことではなく、「何々神経がどこどこで何々に圧迫されている。その結果、○○の部分に痛み(もしくは痺れ)が出ている」といった鑑別を行い、それに基づいて施術ポイントを選択してゆきます。
不調を引き起こす"引き鉄(ひきがね=とりがー)"となっているポイントを探してそこに刺鍼してゆくトリガーポイント療法といった方法も(伝統医学に比すると)比較的新しい理論に基づいた針灸治療でしょう。
最近、整形外科などで、一部の急性の筋・筋膜性腰痛に対し、エコーなどの映像を見ながら注射針で筋と筋膜の間に生理食塩水を注入し筋膜の癒着を剥がすといった治療法が行われています。針灸でも同様にエコーなどを用いて癒着した筋・筋膜の部分に針を刺入することで筋膜リリースを行おうとする方法が一部で行われているようです。
こういった様に、東洋の伝統医学とは異なった、現代医学、現代解剖学・生理学の理論に基づいた、物理療法の一つとしての針灸治療法も現在の針灸の現場では多く行われています。
漢方薬が良いのか?それとも西洋薬が良いのか?
内科的治療(服薬などの非観血的治療)が良いのか?それとも外科的治療(メスと用いた手術などの観血的治療)が良いのか?
針灸治療が良いのか、マッサージや整体、あるいは漢方薬が良いのか?
どのような治療法も理論も、その優劣、正否ではなく、症状の程度、病因、病気の経過、過去の治療歴の他、患者自身の体力、体質、年齢、感受性、治療の目的、快復目標、その他さまざまな要因の下に最も適切と思われる治療方法に出会い、選択されることが大切なことでしょう。
精誠堂 飯田橋 針灸マッサージ治療院 院長 藤本 博和
賀偉総院長が施術を行う本格中国針灸の専門治療院
賀偉総院長が施術を行う本格中国針灸の専門治療院
針灸、マッサージ、中国整体を併設