中国針灸「精誠堂(せいせいどう)」【千歳烏山 本院】東京都世田谷区南烏山5-9-2 【飯田橋針灸マッサージ治療院】東京都千代田区富士見2-2-3 ドーム飯田橋1F
「中医学」もしくは単に「中医」と呼ばれるものは、そもそも中国においては「中国の伝統医学」という意味で、「西洋医学」(中国では「西医学」もしくは単に「西医」と呼ばれるもの)に対する単語としてあるものです。
つまり「中医学」もしくは単に「中医」と呼ばれるものは、中国においては"現代医学"(もしくは"西洋医学")に対する、自国の「伝統医学」といった意味合いであり、現在日本で用いられているような"針灸医学の一流派"、"日本針灸"に対する"中国針灸"、或いは"学校教育用にシステマティックに編成された現代版中国医学"という意味のものではありません。
日本では"中国の針"、"中医学"として一括りに捉えられる傾向がありますが、日本にも様々な針灸流派があるように、中国の中でも様々な流派・学派が存在します。
師から弟子へ昔ながらの技術伝承を行っている"老中医派"と呼ばれる方々に対し、中医学大学の教育システムのなかで伝統医学を学んだ方たちを"学院派"と呼ぶこともあります。
取穴は出来るだけ少数穴にし、"手技"(刺した針に対して目的に応じた操作を行い刺激を与える)に時間と労力をかける一派もあれば、症状や原因に対する"配穴"(どのツボとどのツボを幾つどの様に組み合わせるべきか、というツボの組み合わせ)の考察に重きを置いている先生方もいます。2穴(or数穴)のある種パターン化された組み合わせが多数用意され、それを症状、病状にあわせて選択する"対穴"といった方法もあります。"頭皮針"といって、主に頭部に反映させた身体全身の反応点を用いて針を行う流派もあります。
学説的にも、中国の長い歴史の中では様々な学派が出現しています。
金元四大医家と呼ばれるものの様に、後天の本である脾胃を中心に病気治療を考えた"脾胃(補土)派"、疾病の原因は熱で、その"火"を冷ますべきと考えた"寒涼(瀉火)派"、一方、過剰な"陽"を抑えるためには"陰"を補うことが肝要と考えた"滋陰派"、発汗や吐く、下すといった方法で病因を排出しようと考えた"攻下派"など、同時期に活発に学派誕生が起こった歴史もあります。
このように一口で"中医学"(もしくは"中医")といってもその中には様々な方法、流派、学派があることが分かると思います。
日本の伝統針灸でも様々な学派・流派があり、それぞれの流派の中でもまた会派、分派があったりするのと何ら変わりはありません。
現在日本の針灸学校でも行われている中医学の教育は、中国の中医薬大学などで中医師(中国では歴とした医師免許です)としての資格を得る為の教育として整理・編纂されたものが用いられています。基礎理論から五臓六腑の生理、病理、施術方法と体系立って整理されており、中医学の基本を学びやすくなっています。そのため、現代になってから新しく編纂、創作された現代版中国医学と考えている人もいるようですが少し違います。
長い中国の歴史の中では、非常に多くの医学古典が存在し、古典に書かれた理論や学説にも相違があったり、時代と共に変化があったりします。複数もしくは相反する学説が存在したりもします。そうした複雑さを取り除き、最大公約数的な部分を取り出して編纂されたものが現在教育現場で教えられている「中医学」です。分かりやすく編纂、整理し直されてはいますが、その中身はすべて中国の医学古典に典拠を求めることの出来るものばかりで、中国の古典、伝統医学から離れたものではありません。
精誠堂 飯田橋 針灸マッサージ治療院 院長 藤本 博和
賀偉総院長が施術を行う本格中国針灸の専門治療院
賀偉総院長が施術を行う本格中国針灸の専門治療院
針灸、マッサージ、中国整体を併設