中国針灸「精誠堂(せいせいどう)」【千歳烏山 本院】東京都世田谷区南烏山5-9-2 【飯田橋針灸マッサージ治療院】東京都千代田区富士見2-2-3 ドーム飯田橋1F
針灸治療について皆さんは一体どんなイメージをお持ちで、またどのくらいご存じでしょうか?
針は一体どこに刺しているの?
どうして針を打つことで病気が治るの?
単純にそんな疑問をお持ちの方も多いと思います。
針灸治療で針や灸を施す場所は基本的には「ツボ」と言われる場所です。正式には「経穴(けいけつ)」と言い、全身をくまなく流れている「経脈(けいみゃく)」上にある要所です。
経脈は主に十四本あり、頭の先から手足の先まで全身をくまなく循環し、内側では五臓六腑とも連絡して全身に「気」や「血」を巡らし供給しています。
この経脈の流れが悪くなると、体のどこかに気血の過不足が生じ、経絡の一部が「不通」となります。その「経絡が不通となったところ」に痛みをはじめとした様々な体の不調が現れると針灸医学では考えます。
そのことを表す言い方として、針灸医学には「通則不痛、不通則痛」という言い方があります。 腰痛であれば腰を通っている経脈が、肩凝りであれば肩を通っている経脈の流れが悪くなっているのです。
人体の中には気・血・津液といったものが経脈に沿って循環していますが、この中で主に「気」が停滞すれば「脹った様な痛み(脹痛)」を生じます。「血」が停滞すれば「刺す様な痛み(刺痛)」となりますが、これは捻挫した時などをイメージしてもらうと分かり易いと思います。余分な津液が停滞したものを「湿」と言いますが、「湿」が停滞した場合は「重だるい様な痛み(重痛)」を生じます。
一方、気や血の過剰な停滞ではなく、不足が原因となる場合もあります。気や血が少ない為に十分な〝流れ〟が出来ず、その為に流れが停滞するのです。ちょうど川の水量が少なく、チョロチョロとしか流れない為に所々で流れが停滞し水溜りが出来ているような感じです。水溜りの水は、長くなると段々と淀み、やがて腐ってきます。
痛みの場所と痛みの質などから、「どの経脈に」主に「何が過不足を起こし」、「何が滞っている」のかを連想して、診断し、その〝不通〟を通す為にはどの経脈のどの〝ツボ〟を刺激したらよいのかを考え、治療すべきツボに針や灸を施して経絡の流れを調えてゆくのが針灸治療です。
その為、施術に当たっては痛みや不調のある場所からは離れた場所に針を打つことも少なくありません。むしろその方が多いかも知れません。
それはちょうど川の上流に雨が少なければ下流の川が枯れ、逆に上流で大雨があれば下流で氾濫が起きるのに似ています。
経脈という一連の流れの中で流れの過不足が生じた場合、実際に問題が生じているポイントとそれを引き起こした原因や解決すべきポイントとは必ずしも一致しないことも多いということです。
このように針灸医学では常に、表に現れている症状やその部位だけではなく、身体の内外全身を連絡する経脈という大きな流れの中で症状を診てゆきます。
この為、一見同じような症状でも原因となっている経絡が異なれば使う〝ツボ〟や施術方法は異なりますし、逆に異なる症状でも施術すべき経絡や原因が同じであれば同じ〝ツボ〟、同じ施術で治すこともあります。
これを「同病異治、異病同治」と言います。
このように針灸医学では現代医学とは少し異なる眼鏡を通して身体を診、病気を診て行きます。
(※日中友好新聞2016年10月5日号・第2396号に掲載のコラム《針灸治療の勧め①》、2016年11月5日号・第22399号に掲載のコラム《針灸治療の勧め②》「痛み・しびれの針灸医学」を合わせて加筆訂正)
賀偉総院長が施術を行う本格中国針灸の専門治療院
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針灸、マッサージ、中国整体を併設