中国針灸「精誠堂(せいせいどう)」【千歳烏山 本院】東京都世田谷区南烏山5-9-2 【飯田橋針灸マッサージ治療院】東京都千代田区富士見2-2-3 ドーム飯田橋1F
「ストレス」という言葉は、現代社会とは切っても切り離せない言葉ではないでしょうか?
不調を訴え、病院で検査をしても特に異常が無く、「ストレスですね」などと言われた経験のある人は少なくないと思います。
「ストレスや自律神経の乱れには針が良いんですよね?」と言って治療にいらっしゃる方は少なくありません。
中医学では、「ストレス」は〝気の鬱滞〟(=気滞)を引き起こすと考え、それは気のスムーズな流れを調整している「肝」の病症として捉えられます。
厳密には、「肝」の病症として捉えられる「ストレス」は「イライラして怒りっぽい」といった類のストレスで、「急躁易怒」と言い表されます。
しかし現代社会では、一言で「ストレス」と言っても、それが表すところは多種多様であると思います。
環境が違い、ストレス源も異なれば、個々のストレスの受け止め方もまた違います。
実際、患者さんに「ストレス」はありますか?と聞くと、返ってくる内容は千差万別です。
また「これこれこういうことがあって、それがもうストレスで...(体調が悪くなった)」と、患者さん自身の方から不調が生じた原因ストレスをおっしゃる場合がありますが、「これこれこういうこと」の内容もまた千差万別です。
そしてその受け止め方や反応もまた様々で、「イライラして腹が立つ!」と言う方もいれば、「本当にどうしようかと思い悩んで...」と言う方もおり、また、時間やノルマ、或いは苦手な上司や同僚にビクビク怯えていることを「ストレス」とおっしゃる方もいます。
怒って発散できる人もいるでしょうが、一人で考え込み思い悩んでしまう人もいます。怖い上司にビクビク怯えて過ごしている人もいれば、悲しい出来事が重なっている人もいるかも知れません。
中医学の古典の中では、例えば「思慮」が甚だしいと「気は結ぼれ固まり」、「恐れや驚き」は「気を乱し」、過度な「悲しみや憂い」は「気が消える」、などとされており、感情の(過度な)変化が身体を流れる気の流れにどのような影響を与えるかが述べられています。
そしてこれらの「感情」と「気の状態」は各々特定の「臓腑」との関係が深く、その関連した臓腑の症状を現します。例えば「思慮」が甚だしいと「気が結ぼれ固まる」というのは、五臓の内では「脾胃」と関係が深いのですが、「思い悩んだり考え込んでしまうとキューっと胃が痛くなりやすい」、というのは何となくイメージしやすいのではないのでしょうか?
中医学では早くから過度な感情の動きが気の動きに変化をもたらし、関連する五臓や身体に影響を与えることが見いだされていました。
逆に、臓腑に繋がる経脈上のツボを刺激し、経絡上の気の流れを調え、臓腑を整えることは、結果として精神面の調整にも繋がるのです。
(※日中友好新聞2017年3月5日号・第2410号に掲載のコラム《針灸治療の勧め⑥》「ストレスと五臓」を加筆訂正)
賀偉総院長が施術を行う本格中国針灸の専門治療院
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針灸、マッサージ、中国整体を併設