中国針灸「精誠堂(せいせいどう)」【千歳烏山 本院】東京都世田谷区南烏山5-9-2 【飯田橋針灸マッサージ治療院】東京都千代田区富士見2-2-3 ドーム飯田橋1F
これまでのお話の中で、針灸医学は常に上下・左右・内外・表裏、全体の繋がりの中で身体を診る医学だということをお話しして来ました。
今回はいくつかのツボを紹介しながら針灸医学の特長を知って頂ければと思います。
足の外踝の上5寸に「光明」というツボがあります。名前の通り、はっきりと良く見えるようにという意味のツボで、眼の症状に効果があるとされます。
外踝とアキレス腱の間にある「崑崙」というツボの名は中国の伝説上の山の名前です。ツボが踝のすぐそばにあり、踝が山のような形であることからこの名がついたという説もありますが、足首から遠く離れた頭部の症状を治すことから、頭部の重要性と、頭部が高い位置にあることを崑崙山に譬えてこの名が付けられたという説もあります。
このように目や頭部に効くツボが足にあったり、例えば腰痛の治療で手に針を刺したりと、一見無関係に思える場所に施術すべきツボがあるのは針灸医学の面白いところかも知れません。
これは、これまでお話ししてきた通り、身体全身が経絡という経路で網の目のように繋がっていることに因ります。
もちろん施術すべきツボは、症状のある場所から離れた場所ばかりにある訳ではありません。
目のすぐそばにも目のツボはありますし、腰そのものにも腰痛のツボはあります。
「阿是穴」というツボは、特定の点(ツボ)を指すのではなく、辛いところに手を伸ばし、「阿、是!(アー、シー)」、つまり「あー、そこそこ!」という場所がそのまま「ツボ」である、とするものです。つまりは"辛い場所そのもの"です。
問題は、"症状のある場所"と"原因"や"施術ポイント"がほぼ一致していることもあれば、"原因"や"施術すべきポイント"が"症状のある場所"から遠く離れた場所にあることもある、ということです。
これは実は現代医学でも同じことで、足の痺れは腰椎に原因があったり、頸椎を治療することで手の痺れが治ったり、というのと同じだと思います。もちろん足の痺れの原因が足そのものにあり、手の痺れの原因が手そのものにある場合もあります。
要は、表に現れている症状から、いかに適切にその原因、もしくは施術すべきポイントを見出せるか、ということだと思います。
これを現代医学では現代の解剖・生理学に基づいて診断・治療してゆくのに対して、針灸医学では全身をめぐる〝経絡″という繋がりの中で身体(疾病)を診て、そして施術すべき適切なツボを選択してゆくのです。
(※日中友好新聞2017年6月5日号・第2418号に掲載のコラム《針灸治療の勧め⑨》「症状と原因と治療点」を加筆訂正)
賀偉総院長が施術を行う本格中国針灸の専門治療院
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針灸、マッサージ、中国整体を併設