中国針灸「精誠堂(せいせいどう)」【千歳烏山 本院】東京都世田谷区南烏山5-9-2 【飯田橋針灸マッサージ治療院】東京都千代田区富士見2-2-3 ドーム飯田橋1F
眼精疲労があってPCの画面を見ていると目がまわるというご相談がありました。
中医学では、"眼や耳はそこに血液が充分に行き渡ることで、よく見ること聴くことが出来、手足はそこに充分に血液がめぐっていることでよく手足がその働きを為すことが出来る"、という言い方をします。
中でも、"眼"は意外と血液消耗(消費)の激しいところとされています。眼をよく使うことは身体の"血"を消耗することにも繋がります。また、眼は「肝の竅(あな)」と言われ、「肝」の臓との関係が深い感覚器官です。
肝の臓には、「全身の〝気〟のスムーズな循環を調整する」という重要な働きと共に、「血液をストックしておき、状況に応じて全身の血液循環量を調整する」という重要な働きがあります。その肝が身体の内側から外界に向けて開いた「竅」が「眼」です。(ちなみに耳・鼻・口なども各々五臓と個別に対応しています)
眼精疲労は、眼を使うことによって肝血を過度に消耗、あるいは既に血が消耗しているにも関わらず更に眼を酷使した為に、眼への血の供給が不足している状況と言えます。
また、「眼がまわる」ということに関しても血の不足との関係が考えられます。
眼での血の消耗が激しく、頭部を十分な血で栄養出来ないと、頭痛やめまい、ふらつきなどの症状が出る可能性があります。
基本的には眼を良く休ませたり、長時間のPC使用を控えるといった工夫が必要ですが、眼の周囲をマッサージする、眼を暖める、眼球を右回り・左回りに各6回ずつ回す運動を1~3セット1日2回行う、といったことも対策として有効です。
ただ、それほど酷使している訳ではないにも関わらず眼精疲労が激しい場合には、消耗による肝血の不足という問題の他、胃腸機能が弱っていて食事からの「血の生成」が充分でなく肝血の補充に間に合っていない、或は過度の疲労で「腎の精」を消耗している(「腎精」はざっくり言うと"元気の元"で、「精」と「血」は"同源"とされています)などの原因も考えられ、各々その原因に応じて対処してゆきます。
肝血に対する代表的なツボとしては「太衝」などが挙げられますが、「太衝」は眼や頭からは遠く離れた足の甲にあるツボで、血だけでなく気の巡りを良くするツボとしても多用されるツボです。
針灸医学ではこのように、例え"眼"の症状であっても、他の症状との関連から五臓六腑との関係性の中で身体を診たり、眼から遠く離れた場所のツボが治療点となったりする点が面白いところかも知れません。
(《日中友好新聞》2017年10月5日号・第2428号に掲載の「針灸治療相談コーナー③」を加筆訂正)
賀偉総院長が施術を行う本格中国針灸の専門治療院
賀偉総院長が施術を行う本格中国針灸の専門治療院
針灸、マッサージ、中国整体を併設