中国針灸「精誠堂(せいせいどう)」【千歳烏山 本院】東京都世田谷区南烏山5-9-2 【飯田橋針灸マッサージ治療院】東京都千代田区富士見2-2-3 ドーム飯田橋1F
帯状疱疹は、水疱瘡(みずぼうそう)に罹ったことがある人なら誰でも発症し得る症状です。
水疱瘡が治った後もヘルペスウィルスは体の中の"神経節"というところにずっと潜んでいます。それが加齢やストレス、疲労などの様々な要因で抵抗力が低下した時に再び活動をはじめ、神経に沿って皮膚表面に症状を現します。
病院では、抗ウィルス薬や消炎鎮痛剤などを用いて急性期の皮膚症状や痛みを和らげます。
赤い斑点や水疱は2~4週間で瘡蓋となって取れ、傷痕が残って治ってゆくのですが、発症期間中の痛みは相当辛いものがあり、またその後の後遺症(帯状疱疹後神経痛)に悩まされている方も多いようです。
中医学でもやはり疲労などによる身体の虚弱(免疫の低下)やストレス等が原因と考え、その他季節の変り目などに外界の刺激(邪気)が身体に侵入することで発症すると考えます。
症状の特徴である赤い斑点や黄色っぽい水疱は、中医学では、体内に発生した「肝火」や「湿熱」によるものと考えます。赤みや水疱は湿気や熱の溜まったもの、というのは、何となくイメージできますね。
帯状疱疹の好発部位は「少陽経」という経絡の領域であることが多いのですが、「少陽経」には「手の少陽"三焦"経」と「足の少陽"胆"経」があり、「三焦経」は生命の根源エネルギーと関わりが大きく、また水の通り道を調整する働きがあり、一方の「胆経」は主に気のスムーズな循環を担っている「肝」と表裏関係にあります。いずれも上記の「肝火」や「湿熱」と深い関係にあります。
したがって施術は主にこうした「熱」を取る様なツボを選んで行ってゆきます。
斑点や水疱が引いた後も、正気(せいき)が弱っていたり邪気が残っていたりすると、気血の流れが滞って「瘀血」(血の滞り)を生じ、痛みやしびれなどの後遺症を生じてしまうと考えます。これがいわゆる帯状疱疹後神経痛です。
こうなると今度は気血を補い、気血の流れを良くして「瘀血」を取り除くような施術をしてゆきます。
気・血・水(津液)が過不足無くスムーズに体内を循環している、このことがやはり重要な訳で、針灸はその滞った流れを調整することで症状の改善を図ろうとするものだと言えます。
帯状疱疹、特に後遺症である帯状疱疹後神経痛はなかなか頑固で、長い期間辛い思いをしている方も多いようです。
早期に気づいて針灸治療を行えば発作を予防出来ることもありますし、また、水疱などが出てしまった後でも、病院の治療に針灸治療を併用すれば治りが早く、また後遺症も残りにくいことが多いようです。
(《日中友好新聞》2018年9月5日号に掲載の「針灸治療相談コーナー」を加筆訂正)
賀偉総院長が施術を行う本格中国針灸の専門治療院
賀偉総院長が施術を行う本格中国針灸の専門治療院
針灸、マッサージ、中国整体を併設